(1) 2.8、3.9
低血糖についてはおそらく皆さんもよく知っていると思いますが、低血糖の診断基準については必ずしも明確ではありません。強調しなければならないのは、非糖尿病患者と糖尿病患者の低血糖の診断基準は異なるということです。非糖尿病患者の低血糖の診断基準は血糖が 2.8mmol/L 未満です。一方、糖尿病患者の場合は血糖が 3.9mmol/L 未満であれば低血糖と診断できます。

(2) 4.4
糖尿病患者は血糖をコントロールする必要がありますが、コントロールが厳しければ良いというわけではありません。『中国 2 型糖尿病予防治療ガイドライン（2017）』では、一般集団の空腹時血糖のコントロール目標を 4.4～7.0mmol/L としており、下限の 4.4mmol/L を下回ってはならないとされています。そうでなければ、低血糖の発生リスクが増加する可能性があります。
専門家からのアドバイス：4.4mmol/L は低血糖の警戒線であり、血糖コントロールはこの数値を下回ってはなりません。

(4) 7.0、11.1
空腹時血糖が 7.0mmol/L 以上、食後 2 時間の血糖が 11.1mmol/L 以上は、糖尿病を診断する 2 つの切り捨て点です。患者が典型的な「三多一少（多飲、多食、多尿、体重減少）」の症状を持っている場合、血糖値が 1 回でも基準を満たせば糖尿病と診断できます。患者がこれらの症状を持っていない場合、血糖測定結果が 2 回とも上記基準を満たす必要があり、そうでなければ糖尿病と診断できません。
専門家からのアドバイス：糖尿病を診断する際には、症状は参考程度であり、重要なのは血糖が基準を満たしているかどうかです。

(6) 血糖が 13.9mmol/L 以上
13.9mmol/L は糖尿病性ケトアシドーシス（DKA）の診断基準の一つです。臨床上、患者の空腹時血糖値が 13.9mmol/L 以上の場合、患者体内のインスリンが著しく不足し、脂肪が分解を始め、少量のケトン体が生成されることを意味し、警戒が必要です。もし進行が続けば、糖尿病性ケトアシドーシス（DKA）に至る可能性があります。
また、13.9mmol/L という数値は、ケトアシドーシスの治療時に、塩溶液（生理食塩水）から糖溶液（ブドウ糖液）に切り替える際の血糖の切り捨て点としても用いられます。
専門家からのアドバイス：空腹時（またはランダム）血糖が 13.9mmol/L を超える場合、ケトアシドーシスに対して高度な警戒を維持し、直ちに病院に受診する必要があります。

(8) 33.3mmol/L
患者の血糖が 33.3mmol/L 以上になると、多くの場合、血糖計の検出範囲を超えてしまいます。この時、血糖計は「HI」と表示します。このような極端な高血糖は、全身の細胞が高浸透圧脱水状態にあることを示しており、この時の患者は脱水、低血圧および意識状態の変化を伴い、いつでも昏睡に陥る可能性があり、生命の危険にさらされます。直ちに病院に搬送して治療を受ける必要があります。
専門家からのアドバイス：血糖計が「HI」を表示した場合、まず血糖計が故障しているかどうかを確認します。機器の故障が除外された場合、直ちに病院に受診する必要があります。